神奈川県立横須賀高等学校同窓会 朋友会
【紹介】石渡 陽一 さん(高56期)
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(取材日:2008年11月22日)

近年の横高ラグビー部隆盛の結果として、同部OBの全国ラグビー界での活躍は目覚しいものがあります。早稲田大学の池上選手が、3年前の大学ラグビー選手権での活躍は、テレビ等でご存知の方も多いと思います。池上選手(リコー)をはじめ、NECの臼井選手(早大卒)日本体育大学の小松選手等が今シーズンも活躍しております。

そんな中で、今年は東京大学ラグビー部主将に横高56期卒の石渡陽一さんが選出され、関東大学ラグビーで活躍しています。東大は現在対抗戦グループでBグループ(2部)に落ちていますが、5年前まではAグループで伝統校と対等に戦っていた歴史があります。石渡陽一さんはAグループ復帰を願って必死に練習するラグビー部現役と、それを応援するOBの期待を受けて、リーダーとしての努力を続けています。

今回は文武両道を目指して奮闘中の石渡陽一さんを紹介いたします。

 
プロフィール
平成10年3月 横須賀市立山崎小学校卒業
平成13年3月 横須賀市立大津中学校卒業
平成16年3月 神奈川県立横須賀高校卒業
平成17年4月 東京大学入学
農学部農業経済学科在学中(4年生)
平成21年3月 東京大学卒業予定
 
大学での生活は?
東京大学での生活をお聞かせください。
一ツ橋大戦で勝利 <後ろ向き、背番号13が石渡主将>

朝から午後までは本郷キャンバスで授業を受け、午後4時ごろ駒場ラグビー場に向かい午後6時から8時過ぎまでは、ラグビーの練習です。

現在の生活はラグビー中心の生活です。現在は、ラグビー部の同期2名とルームシェアリングをして過ごしているため、常にラグビーのことが頭から離れない環境にあります。睡眠時間と食事の量には特に気を配って生活しています。

またラグビーの合間を縫って、卒業論文を書くための準備を進めております。

東京大学を志望した経緯、動機をお聞かせください。
大学入学の際に学部を決めなくても良いという進路選択の柔軟性が魅力でした。
また、勉強が非常に楽しい時期があり自分を試してみたいという気持ちもありました。
 
少年時代は?
小学校、中学校の少年時代はどのようでしたか。

小学校時代は、当時はやっていたスーパーファミコンの様なゲーム機を買ってくれない家庭に育ったため、スポーツに明け暮れていました。
日曜日はラグビースクールに通っていましたが、一番好きなスポーツはサッカーでした。毎日毎日文字通り日が暮れるまで、ボールを蹴っていた記憶があります。

中学時代は卓球に入れ込み、練習があろうとなかろうと毎日卓球をしていました。

 
横高時代は?
横須賀高校時代の思い出をお聞かせください。
関東大会に出場 <下右端が石渡さん>

高校では、ラグビー部での思い出が大半です。目標にしていた関東大会の出場が決定した瞬間は、私の短い人生において最も感動し嬉しかった瞬間でもありました。勝った相手が、一年生の時に80点の大差で負けた日大藤沢高校であったことも私の喜びを倍加させました。

また、当時ラグビー部で教えを賜った坂本先生には本当に大きな影響を受けました。人とのコミュニケーションから礼儀作法まで、私の人間性の多くは先生に影響を受けながら固まっていったように思います。本当にいくら感謝しても足りないくらいです。

いずれにしても、ラグビー漬けの生活でしたが、勉強が大変楽しい時期があり、一浪して東大に入学することができました。

ラグビーに対する思い入れの様なものはありましたか。

中学校以前は何の思い入れもありませんでしたが、高校でラグビーを本格的に始めてからは、私の重要な自己表現の一つになった様に感じました。
試合中に全力でプレーしている瞬間もそうですが、日々の生活においてもラグビーに打ち込むこと自体が私自身の軸となっています。

 
在校生へのメッセージ
横須賀高校ラグビー部の現役諸君へのメッセージをお願いします。また横須賀高校の現役生へのメッセージもお願いします。

ラグビー部へ

私は大したプレーヤーではなかったが、タックルだけは自信をもっていました。
ラグビーに関しても同じで、何か一つでもいいから、自分の長所を見出しそれを伸ばすことに執心してくれれば嬉しいと思います。

 
在校生へ

偉そうなことを言える立場ではないが、一つ言うとすれば、何か打ち込めるものを見つけ高めて欲しいと言う事です。
胸を張れることを何か一つ持てることはとても素敵なことだと思います。

 
これからの抱負
これからの抱負をお聞かせください。

まずは、現在所属している東大ラグビー部で目標にしているAグループ昇格(5年ぶりの復帰)を果たすことです。
今の私には唯一にして最高の目標です。

長期的には、いつでも何かに熱くなれる人間でいたいということです。その対象が何であれ、全力で打ち込むことの出来る人間でいたいと思います。

 
取材後記
石渡君の取材に協力して       高10期 中村 眞 (東大ラグビー部OB)

今年東大ラグビー部の主将になった石渡陽一君(高56期)を朋友会ホームページ「ようこそ同窓生」で紹介することになりましたが、当初本人は、それを嫌がったそうです。

自分はラグビーのトッププレヤーでもないし、他に紹介するに足る先輩、同輩がいるのにということだったようです。
しかし、私は朋友会の饗場ホームページ委員から取材に協力するように依頼を受け、本人に接触しました。取材に応じてくれましたが、ホームページ委員会からの質問事項への返事をもらうのに時間がかかりました。会った印象は、ラガーにしてはややおとなしい青年だなという感じでした。

その後、10月12日に関東大学ラグビー対抗戦Bグループ、東大対一ツ橋大戦を東大駒場で観戦しました。試合前のグランドでは選手に気合を入れる石渡主将の大きな声が響き渡りました。昨年負けた一ツ橋を相手に東大は得点を重ね、40対3で勝ちました。
試合は必ずしも東大ペースではなく、自陣に攻め込まれる時間が多かったように思います。しかし、自陣ゴール前での執拗なタックルで東大は相手をノートライに押さえました。
石渡君は自分で自信があると述べた通り、低いタックルで確実に相手を倒し続けました。タックルは何十年も前から東大の伝統であり、もちろん石渡君以外の選手もタックルには忠実でした。目標であるAグループへの復帰が今年実現するかどうかは、まだ分かりませんが可能性は十分あります。

横高ラグビーを受継いだ石渡君の闘志がBブロックに安住しかけたチームを向上に向けて奮い立たせたことは事実です。試合ごとに何十人もOBが押しかけて来る伝統の圧力にも平気で耐えているようにみえます。彼が今後、社会人となっても、この体験を自信に変えて、成長して行くことを期待しております。

編集後記

今回の「ようこそ同窓生」はもっと若い人、身近な人を取り上げてほしいという意見があり、私の友人中村眞君(高10期・東大ラグビー部)の紹介で、東大ラグビー部主将、石渡陽一さんが候補に上がりました。

左から 中村さん・石渡さん・饗場 (防大グランドで)

そこで中村君に相談し取材をの協力を依頼しました。
取材は、8月の東大ラグビー部の合宿から始まり駒場での練習、10月の一ツ橋大との試合など、骨身を惜しまず何回と無く足を運び、後輩石渡陽一君のために、奮闘していただきました。
感謝!感謝!の一言です。大変有難うございました。改めて中村眞君に御礼申し上げます。

11月22日、東大対防大の二軍戦が防大で行われました。中村眞君と一緒に観戦に行き、その時初めて石渡主将にお会いしました。
精悍で、たくましい、東大ラグビー部を引っ張って行く石渡主将の姿を頼もしく感じました。

卒業論文は、「神奈川県内の放棄農地の再生について」というテーマで、ラグビーの合間を縫って、頑張っているそうです。就職の方もある大手商社から内定をもらっているとの事です。未来に向かって羽ばたく石渡主将が、今後も益々活躍されることを期待しております。

(高10期 饗場元二)

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