神奈川県立横須賀高等学校同窓会 朋友会
【紹介】髙嶋 達佳 さん(高14期)
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(取材日:2007年11月29日)
プロフィール
昭和34年(1959) 御成中学校卒業
昭和37年(1962) 横須賀高校卒業
昭和41年(1966) 慶応大学卒業
昭和41年(1966) 電通入社 営業局勤務
昭和53年(1970) 雑誌局
昭和58年(1983) 新聞雑誌局 地方部長
平成元年(1989) 新聞局次長
平成4年(1992) 営業局次長 兼 営業部長
平成5年(1993) 新聞局長
平成9年(1997) 取締役
平成12年(2000) 常務取締役
平成14年(2002) 専務取締役
平成16年(2004) 取締役副社長
平成19年(2007) 代表取締役社長
 
(株)電通に入社!
電通入社の動機は?

もともとはTVというメディアに興味を抱き、テレビ局も受けましたが、最終的にはメディアの世界全体に携わる総合広告会社である「電通」に入社。実は会社に入社した後で、自分の周りにいる同期生や先輩がとても優秀であったため、この会社ではとても出世は出来ないと感じたことを思い出します。

電通とはどの様な会社ですか
一口で言うと「総合広告コミュニケーショングループ」です。業務の中心は、TVコマーシャルや新聞広告を制作し、それらを消費者に伝えるために広告媒体のスペースを確保し販売するという業態ですが、その他にも、オリンピックやワールドカップのようなスポーツイベントとスポンサーを結び付けたり、 
(株)電通・本社ビル
大会運営そのものに携わるスポーツマーケティングというビジネスもあります。近年では映画制作などにも多く携わっており、年間平均で15作品くらいは直接、間接的にその制作に関わっています。

また、コミュニケーションの世界では欠かすことの出来なくなっているインターネットやモバイルの世界にも積極的に取り組んでおり、日進月歩の世界で新しいテクノロジーを活用しながら、新しいマーケティングの手法の開発と実施に励んでいます。

このように電通は、広告という枠に捕らわれることなく、広告主のマーケティング課題の解決のため、日本国内はもちろんのこと、世界各地に拠点を持ち、グローバル規模で様々な領域にビジネスフィールドを大きく拡げています。

よく言われているのは、電通という会社は、自己実現がしやすい会社ということで、自分がしたいと思うことがなんらかの形で実現する可能性が高い組織だと言えるかもしれません。

現在までのお仕事の経緯と特に強調したい信条は?

1966年に電通に入社して以来、新聞局という新聞の広告を取り扱う部署が長く、新聞社さんを相手に仕事をしてきました。その後、広告主を相手にする営業局を経験した後に、再び新聞局に戻り、そこの長(局長)を勤めて取締役となった後は、テレビや新聞などメディア部門全般と、スポーツマーケティングなどのコンテンツビジネスを扱う担当の他に、海外部門の仕事にも一時期携わりました。

信条というか、昔から常に心がけていることは「現場主義」。現場、すなわち若い人が働いている職場にこそ真実があると思っているので、そういった活きた声に耳を傾けて、それらを出来る限り受け止めて業務に反映してきました。社長に就任してからも、各部門の長たちと懇談会を開くなどして、現場で起こっていることの詳細の把握に努め、経営の場で会社全体をうまく運営してゆくための生の情報として活用しています。

会社経営に対する考え方 取り組みについて

会社経営とは日々の判断が求められる仕事だと思います。ふだん学生の皆さんにとっては、試験と言えば年に何回かある定期試験のことを指すでしょうが、私にとっては毎日が試験のようなものです。その中で大切に心がけているのは、「常識で考える」ことと「現場主義」という二つのことです。様々な案件について判断をする際に、「常識で考える」という姿勢は意外と忘れられやすいことかもしれませんが、極端に時代や流行に流されること無く、また並べられた数字を見て何かがおかしいと気づくのも、常識で考えて何かが間違っていると感じるからです。

もうひとつは、先ほど申し上げた「現場主義」ですが、常に正しい情報がインプットされていなければ正しい判断ができないのは周知の事実、いつも現場からの声を大切にしています。

経営者としては、やはり会社の将来を考えて舵取りをするということだと思います。自分がいる現在はもちろんのこと、5年後、10年後、100年後もこの会社がいい会社であるために、今何をすべきかということを常に考えて取り組んでいます。

広告業界の現状と今後の見通し

ここ数年は、インターネットの発達により、広告ビジネスが大きく変化してきています。テレビコマーシャルや新聞広告で企業の商品やサービスについてのメッセージを消費者に届けていたのが、今ではインターネットが媒体として欠かせない存在になってきています。業界用語でクロスメディアと言うのですが、消費者がいつどこで、どのような広告やコンテンツに興味を持ち、メディアに接触するかという観点から、様々なメディアを組み合わせることによってメッセージを効率よく伝え、さらに口コミやメールなどを通じて情報の二次伝達をしてくれるかまで考慮して企画立案をします。この際にクロスメディアを駆使して、キャンペーンを構築することがますます大事になってきています。テクノロジーの進歩とともに、消費者の情報入手の形態や行動様式が変化しており、広告の姿もますます変わっていきます。

テレビとインターネットの融合、セカンドライフに代表されるバーチャルな世界の誕生など、スピードのある変化の中で、新しく大きなビジネスの可能性が多く芽生えていると言えます。

 
横高時代
横高時代の思い出や恩師について
修学旅行にて

正式な部活動としては、どの部にも所属することはありませんでしたが、試合等にはメンバーが足りない場合に、いくつかの運動部から手を貸して欲しいと誘われて参加したことが何回かありました。

横高は生徒の「自主・自律」を重んじる校風で、校則に縛られる事も少なく割合と自由でした。その代表的なものとして、当時どの学校でも靴での通学でしたが、今では殆ど見かけなくなった下駄での通学ではないでしょうか。私もカランコロンと下駄の音を響かせながら通学した事が懐かしく思い出されます。

もともとは理科系志望だったのですが、進路を選択する段階で眼病を患ったため、受験科目が多かった理科系を諦め、文科系に変えることになりました。担任の先生からは志望校には受からないと言われ、浪人を覚悟していましたが、受験日の3ヶ月前くらいから目の調子が回復したため、猛勉強をして試験に合格して、浪人せずに大学に進むことが出来ました。

<円内が髙嶋さん>
学生時代の恩師は、英語の大塚先生です。生徒を自宅に集めて食事をしながらにぎやかに話をするのが好きな先生だったので、良く先生の家に遊びに行ったのを覚えています。本当に良く面倒をみていただいて、学校生活の指導をしてもらいました。
 
在校生へのメッセージ
在校生に望む事 メッセージ

自分自身を振り返っても、勉強ばかりでなく、学生生活全体を楽しんでいた気がします。勉強は学生の本分としてもちろん大事ですが、そればかりでなく、是非3年間をバランス良く、友人との付き合いを大切に学生生活を謳歌してください。

高校時代に共に学び、共に遊んだ友人はかけがいのないもので、私も今もなお社会で活躍している友人がたくさんいます。

 
趣味
趣味の陶芸について

20数年続いている趣味で、若い頃は地方に出かけて土に触れることもありましたが、最近は、時間が無いため自分で創ることも、窯出しに出かけて行き、作品を買い求めることも出来ません。

地元の葉山にはいつでも行けるように、焼窯を確保してあるので、将来時間ができたら、自分の手で作品づくりをしたいと、思っています。個人的には備前焼の持つ素朴な作風が好きで、釉薬を使わずに焼いた風合いに引かれ、自宅にあるコレクションを暇をみつけては入れ替えて鑑賞しています。

 
取材後記

(取材日 2007年11月29日)

眼下にレインボーブリッジ・お台場を見渡せるロケーションの電通本社ビル44階の応接室にて取材をいたしました。

左から小野関、髙嶋さん、石井

立派な応接室での取材で緊張しておりましたが、髙嶋社長の笑顔での挨拶で、気も落ち着き、同窓生という気安さもあり無事取材が出来ました。

話の中で、特に広告業界ではここ数年来のインターネットの急速な発達により消費者の行動様式の変化が激しくて、その変化に敏感に迅速かつ柔軟な対処がもとめられているようです。将来も電通がいい会社でありつづける為に「現場にこそ真実がある」の信条に基づいて、社員一人ひとりの才能や個性を重視し、クライアントや生活者から信頼される会社を目指しての思いと経営姿勢を感じ取ることが出来ました。

ご多忙にも拘わらず、今回の取材を快くお受け戴きました、髙嶋社長に心より御礼申し上げます。

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